「…ごめんね、雅ちゃん」
額を合わせた距離のまま、囁いた。
好きになっちゃって、ごめんね。
本気になっちゃって、ごめんね。
「…雅ちゃんが、いいんだ」
徐々に近付く唇は、もう互いの吐息の温度を感じている。
「…もしかして、あたしが心配すると思って……途中…だったの?」
気遣うような声音に、思わず動きを止めた。
…え?
ちょっと…待って。
雅ちゃん?
なに、途中って。
…真顔で言う事?
「……出さなかった、の?」
…えぇぇ?
「ちょっ…雅ちゃん…」
至極真面目な目で心配する雅に、滅入りきった鷹野の感情が、思いがけず浮上した気がした。
込み上げた苦笑と共に、軽く唇を触れさせる。
「…なんて事…訊くかなぁ」
白いタオルで遮られた空間で、思いのほか冷たい唇を掠める。
「雅ちゃんが、好きなだけ」
ただ、好きなだけ。
勝手に押し付けて、ごめんね。好きになっちゃって、ごめんね。
ただ、たまんないだけなんだ。

