「ごめんね、美和さん。昼間来てくれたら、ちゃんと相手するからさ」
夜みたいには、出来ないけど。
なるべく穏やかに済ませようと、口調を整えずに笑顔を作りかけた鷹野の首に、腕が回された。
「…お金なら、あるわ」
そう囁かれると同時に、強く引かれ、鷹野の唇が塞がれた。
「……好きなの」
…好き?
好きって、金で買えたっけ?
こんな、感覚だったっけ?
「…好きなのよ……」
囁かれる、声。
好き…、って?
ああ、帰りたい。
帰って、紅茶を淹れる。
あの子と、笑いながら。
……凱司の、だけれども。
いくら好きでも、あの子は。
雅は。
凱司の、なんだけれども。
鷹野は、僅かに離れた唇に息をつき、諦めたように、彼女の腰を引き寄せた。
「……ひと晩は、無理」
好き、って、
……なんだっけ?

