たぶん恋、きっと愛




「日曜、宇田川の奥方居るときに挨拶行くぞ」

高校が終わるまでは、宇田川の娘だからな、と真面目に言う凱司に、雅は素直に頷いた。



「お土産は、さっきの焼きプリンがいいです」


至極真面目に言う雅に、凱司は、柔らかく笑顔を浮かべた。



「そんなに気に入ったか」

「すっごぃ美味しかったんです!」


幸せそうに笑む雅の手には、ケーキ用の紙ケース。
中には、2切れのチェリーパイ。

チェリーピンク、とはよく言ったもので、パイ生地から溢れそうなフィリングは、濃い鮮やかな色で、外に染み出したシロップの色は、雅の唇に似ていた。



「でも…友典さんには……少し申し訳ないかも」


ケースを開けて中身を見、嬉しそうにした雅は、それをそのまま閉じると、冷蔵庫にしまい込んだ。



「友典?」

「うん、だって友典さん、あたしを嫌いましたよね」


さらりとそう言った雅は、自嘲気味に眉を下げると、凱司さんを取ったりしないのにな、と呟いた。