たぶん恋、きっと愛



「友典、これはお前にやる」
と。

凱司が左手の人差し指から外し、手のひらに乗せられたそれは、重いリング。

細工の細かい、クロムハーツ。



「え…でもこれ」

「この前、やったつもりだったんだ」


に、と笑う凱司を仰ぎ、嬉しそうに目を輝かせた友典に。

あんな顔もするんだ、と、僅かに目を見張り、雅はもくもくとパプリカを口に運ぶ。



「雅の事は、別段気にしてくれなくて構わない。ただ、頼って来たら、手を貸してやって欲しい」

「気に…しなくて…いいんですか」


てっきり、全ての災いを振り払え、言い寄るような男は排除しろ、くらいの事だと思っていた。

父親には、“凱司さんが大切になさっているお嬢さんなのだから護るように” と、言われた筈だが。



「そうだな…、お前と兄妹になってる事実を忘れられると、厄介だけどな」

特に本人が馬鹿だから。と付け加えた凱司が、手のひらからリングを取り上げ、友典の人差し指に押し込んだ。



「買収する訳じゃないんだが…よろしく頼む」


僅かに頭を下げた凱司に、友典は。

隣で父親がきっちり礼を返した事に、慌てて倣い、しどもどと頭を下げた。