「…凱司さんは、ちゃんとあなたが思うような方ですよ。いつでも強く、優しい」
「……そうだけど」
目の前で繰り広げられている、どうでもいいような掛け合いは、どうにも友典の気に入らないものらしく、眉はますます寄せられた。
「お前はパスタ食ってプリン」
「…チェリーパイは?」
「買ってやるから鷹野と食えばいいだろが!!」
確かに苛ついているだろうに、やっぱり楽しそうに苦笑する凱司と、怖じる事なく甘える雅とを見比べた。
友典は、自分の中で消化しきれないような、しこりを感じながら雅を見つめ、目を閉じる。
正直、凱司の“特別な女性”が、こんな自分よりも年下の女だなんて納得行かない。
ついこの間まで、援助交際という名の、売春までしていたような、くだらない女。
凱司の家に入り込んで、一体何を企んでいるのか。
友典は、ゆっくり目を開けると、雅をそっと、睨み付けた。

