校長室のドアを塞ぐように、ひとりの男子生徒が立っていた。
ネクタイピンの色は青色で、2年生であることが解る。
手足が長く、真っ直ぐに立つ姿は、誰かに似ている気がして、雅は傍に立ち止まった。
「あの…校長室、入りたいんですけど…」
小さく声を掛ければ、ちらり、と見据えられ、雅はまた、首を傾げた。
「須藤、雅さん?」
「あ、はい」
「………」
じっと雅を見据えたまま、僅かに体を避け、校長室のドアを開けた生徒は、どうぞ、とばかりに目を伏せた。
「あ…りがと…ございます」
雅が、ついそちらに目を奪われながら、なんとなくドアをくぐる。
校長室に緊張していいのか、誰かに似ているような生徒を見つめていいのか、迷っているうちに。
視界に飛び込んで来たのは、いつものようにスーツで身を固めた、宇田川だった。

