たぶん恋、きっと愛



「そう…? なら良かった。少し気になってたの」


「……あんなの、可哀想にも程があるんだから、雅、今度からちゃんと、彼氏がいるって最初に言いなさいよ!?」


再び肩をくっ付けて小声で叫ぶ加奈子に、雅は何度も頷いた。

田鹿も手を上に上げたまま、腰を屈め、雅の傍に顔を寄せた。



「物凄い威圧だったんだぞ…」


田鹿は。
凱司の金髪と刺青、青みがかったグレーの目の冷たさなどを思い出して身震いし、鷹野の綺麗な顔立ちと、血を舐めるような、耽美な笑顔とを思い出し、思い切り鳥肌を立てた。


「…なんもしてない俺が怖かったんだからなっ」

わざとらしく泣き真似をする田鹿に苦笑いをするも、雅は、水族館での告白があんなに嫌だと感じた気持ちが、消えかけていることに気が付いた。


今でも、嬉しいと感じる訳ではない。

ないけれど、自分が、皆と別の空間に立っているような、あの孤独感が、薄れていることに、少なからず驚いた。