たぶん恋、きっと愛




雅の通う学校は。
一見、ごく普通の総合高校だけれど。

その中の1クラス枠での科が特殊で、雅はその40人の中に居た。


各学年40名ずつ。
計120名。


そこそこに受験倍率は高かったのではないか、と凱司は思う。



「帰りは何時だ」

「ひとりで帰……12時半です」

じろりと睨まれ、言い直した雅が、きょろきょろと車の外を窺った。


「じゃあ、その頃来る」

「はい」


行ってこい、と手を追い払うように振った凱司に微笑み、雅は静かに車を降りる。

なるべくなら凱司の存在を隠しておきたいのか、早足で背を向けた雅も、校門の影からちょこりと顔を出し、はにかんだように、手を小さく振って消えた。


何人かの生徒が脇を通りすぎるのを待ってから車を出し、宇田川ん家の傍じゃねぇか、と辺りを見回した。