「…………鷹野…ますますあられもない姿になった気がするんだが」
リビングに戻った雅を見た凱司は、くわえ煙草のまま、新しくコーヒーを淹れていた。
「だってないんだもん」
「もんとか言うな気持ち悪い」
「ちなみにノーパン」
「………」
鷹野サイズのパジャマは、サテン地ということも手伝って、明らかに肌を滑っている。
一応気になるのか雅は胸元を掴んではいるけれど、袖も裾も大きく折り返したその姿は、大人の服を着た、子供。
「一応下は落ちないように縛ったんだけどね?」
くすくす笑うのは鷹野の癖なのか、愉しげに雅の髪を撫でた。
「で?」
凱司が続けてシャワーを使う間、鷹野は甲斐甲斐しく雅の髪にドライヤーをあてていた。
熱いコーヒーを渡したが、吹いても吹いても吹いても口をつけられない雅に吹き出し、さっき氷を二粒落としてやった。
「なんで、こんな事に?」
猫舌なんです、と頬を膨らませ、それでもようやく飲み頃にまで冷めたコーヒーに口をつけ、雅は首を傾げた。

