たぶん恋、きっと愛



「とにかく!雅さんにはもう少し男心を学ばせてください!」


「…男心!」


更にツボを付かれたのか、鷹野が耐えきれずに床にしゃがみこむ。


「あんなのそのまま押し倒された所で文句は言えません!」


「わかった!落ち着けって!」



普段、冷静で有能な宇田川の、あまりの取り乱しように、凱司は再び込み上げる笑いを堪えつつ、そう思った。


「確かに、雅が悪かった。今後、誰に対してもそういう事がないように躾る」


両手を上げた凱司に、ようやく落ち着きが戻って来たのか、宇田川は深く息を吐き出すと、元の椅子に崩れるように腰かけた。



「…でも…文句言ったことないですも…」


鷹野は、押し付けられた雅もろとも床にしゃがみこんで笑っていたが、慌ててその口を手で覆った。



「しーっ!それ駄目だ!」

こっちおいで、と口を押さえたまま、引きずるように移動をするけれど。


そっと振り返って見た凱司の目にも。

宇田川の固まった背にも。



明らかに、黒いオーラが立ちのぼっているように、見えた。