「だって」
「だって、は禁止した筈です」
相変わらず冷たい宇田川を振り返れば、今度は凱司に腕を掴まれた。
「喧嘩はいいから早く言え!」
引っ張られるまま凱司に向き直った雅が、唇を尖らせ、だって、と繰り返した。
「だっ…て、綺麗だったから」
「綺麗?」
キーワードその2、だ。
温泉、綺麗。
それで宇田川がキャラを変えて怒る…。
「………刺青か!!」
弾かれたように笑いだした鷹野と凱司に。
宇田川は盛大に頭を抱え、雅は更に引かれた腕に体勢を崩して、凱司に抱き留められた。
「宇田川さんも…あれ、やられたんだ!?」
「…見境なく触んなって…言っただろうが!」
抱き留めた雅を抱えるように体を折り曲げて笑う凱司は、宇田川の、苦虫を噛み潰したような顔に同情しながらも、可笑しくて堪らないのか、目尻に滲んだ涙を指先で拭った。

