連れてこられた先は、鷹野の部屋。
雑誌とギターと、壁際に黒のTシャツがかかっている。
鷹野は積み重なった箱をいくつか開けた。
「ほら、あんまり見ない」
キョロキョロする雅に苦笑し、黒のパジャマを手渡す。
「一度も着てないから。貰ったもんだけど…俺、知らない人がくれたもんって使えないんだよ……なんか怨念こもってそうで棄てられないし」
「知らない人がこんなのくれるの?」
雅は、サテン地の艶々したパジャマを受け取り、優しげに微笑む鷹野につられたように、僅かに笑顔を見せる。
「うん?…仕事先でちょっとね。…まぁ、ガイの服じゃ話にならないだろうから」
着てごらん、と雅を部屋に残し、ドア越しに会話を続ける。
「下着は我慢。さすがにない」
「うん、ありがとう。大丈夫」
サラサラと袖に腕を通し、足を通してみて。
雅は困ったように、前を掻き合わせた。
……あのぅ…鷹野さん?と。
そっとドアを開け、そこで待つ鷹野を、見上げた。
「あ~……」
ふっと視線を逸らして鷹野は。
黙って膝をつき、手首についた黒いゴムで雅のウエスト部分をぎゅっと。
縛った。

