たぶん恋、きっと愛



「おばあちゃん帰って来るまで待ってたんだ?」


大仏グミを、色んな角度から眺め、次いでポケットから出てきた大仏キャンディとを、楽しそうに光に透かす。



「そうなんです。だから宇田川さんと温泉入って来ました」


「温泉!?」


テーブル側の会話が、不自然に止まった。

鷹野がチラリと見れば、宇田川の背がいつにも増して固まっている。


「…で、明日にでも一度、行って参ります」

会話が一瞬止まったにも関わらず、何事もなかったかのように淡々と話を進めた宇田川を、何か面白いものでも見るように眺めて。

鷹野は雅のポケットからまた出てきた駄菓子のパッケージに、声をあげて笑った。



「大仏だらけだね」

「可愛くなくて可愛いんです」


大仏シガレット、と書かれた、イロハ歌留多のようなノスタルジックな箱は、チープで、印刷がズレていた。


「温泉のお土産屋さんに売ってたんです」


にこにこと笑う雅の髪を撫でて。
鷹野は、ありがと、と大仏シガレットの箱を開けた。