「…宇田川、とりあえず報告」
呆れ顔で促せば、我に返ったかのように背を伸ばした宇田川が、慌てたようにクリアケースから数枚の紙を取り出した。
「雅ちゃん雅ちゃん、こっち」
紅茶のカップをテーブルに置いた鷹野は、雅の肩を軽く抱き、ソファーに誘った。
仕事モードに切り替わった宇田川を、変わらずに拗ねた顔でチラリと見、雅は大人しく鷹野に視線を移す。
「おばあちゃん元気だった?」
「あ、ものすごく元気でした。約束を忘れて友達と遊びに行っちゃってたほどに………」
だからこんな時間になりました、と雅は頭を抱えた。
「ほんと信じられません。宇田川さん他に用事いっぱいあったのに」
あ、これお土産です、と制服のポケットから何かを取り出し、鷹野の手にちょこんと乗せた。
「なに…これ」
「大仏グミです。…可愛くないのが可愛いと思いませんか?」
緑色のそれは、確かに大仏の姿をしている。
奇妙な存在感は、じわじわと鷹野の笑いを誘った。

