たぶん恋、きっと愛




「…あ!…温泉、どうでしょうか!」


しばらく黙っているなと思えば、ふいに思い出したように声を上げ、前方の看板を指した雅に驚く。



「温泉、ですか?」

「はい!泊まらなければ安くお部屋使えるし、宇田川さんがお仕事できます」


なんのお仕事だかは解らないですけど…と付け足し、雅は、どうですか?と目をキラキラさせた。


確かにこのままドライブをしていても、仕方がない。

温泉などまず行かないが、雅が1人で時間を潰せるならば、自分は他にやれることがある。



「では、そうしましょうか」

「はい!」


温泉好きなのだろうか、雅はひどく嬉しそうだ。

とりあえず雅だけ入湯できればそれで良い、と宇田川は車を案内看板に従って、ゆっくりと進ませた。