雅は一糸纏わない自分の姿を、鏡に映した。
年相応に、未発達ながらにも膨らんだ胸と、なだらかな曲線は、見苦しいものではないと知っている。
キス、したんだっけ、と。
少し厚みのある唇に指を当て、雅は俯いた。
殺される事はないだろう。
さすがに死にたくはない。
いつ死んでも多分悔いないけれど、痛いのは嫌だし、苦しいのも嫌だ。
まさか家に連れてこられた上にシャワーまで借りているなんて、一体なにがどうなってしまうんだろう?
宿代だと思っとけ、と凱司は言っただろうか?
キスに対して言っただろうか?
まさかね、と思う。
泊めてくれて、キス以上しなかった人はいない。
こんな未発達な体でも、充分に満たせるらしい事は、よく知っていた。
簡単に生活費が、稼げる事も。
雅はようやく肌に馴染んできたシャワーを頭の先からただ浴びながら、目を閉じた。

