たぶん恋、きっと愛



雅は正直、戸惑いでいっぱいだった。

一枚ずつ服を脱ぎながら考える。


今の人が、鷹野一樹さん。ってことは‘ガイ’さんは…笠島さん。

笠島、凱司さん。



郵便受けの2つの名字。


濡れたキャミソールは肌に貼り付いて冷たい。

脱ぐと裏も表も解らないくらいに丸まった。


それをそのまま足拭きのマットの上に置き、下着も同じように丸まったから、重ねて、置く。
設定温度の変え方が解らないから、そのままコックをひねって。

どれがシャンプーか解らないから、手にとって泡立ててみた。



シャワーしかないけど、と言ったのは単に浴槽を使っていない、といった意味だったようで。

丸い浴槽は深く、足をかけるためか、中で腰掛ける為かの段差がついていた。


ぬるいはずのシャワーは、体が冷えていたせいで最初は熱く。

痺れるような感じが、した。