「………っ!!!」
一気に、目が覚めた。
飛び上がるように跳ね起きれば、冷や汗と共に激しい動悸と不快感。
同時に恐怖が、全身を粟立たせていた。
「な…んだ今の…!」
息が上がり、指先が冷たく震えている。
夢なのは、解っている。
解っているが、凱司はひどい不安感に、頭を掻きむしって叫びたい衝動に駆られた。
金髪に両の指を深く埋め、ベッドに上がらないままだった両膝に肘を乗せる。
「…馬鹿な事ばかり…言いやがるから…っ!!」
もう、遅いことは、誰よりも知っていた。
「雅は……俺の弱味…か…?」
いくら、弱味になりたくないと言われたって。
捨ててくれと言われたって。
無理なのだ。
いつの間にか、大事なものになっていた。
いつからだろうか、と漠然と思ってはいたけれど。
「…最初から、か…?」
泣きたいような奇妙な感覚を、どうすることも出来ずに、凱司は。
腹立たし気に頭を抱えたまま、舌打ちを、した。

