凱司が戻って来たのは。
宿題を片付けさせた佑二の帰った、正午を過ぎた頃だった。
「お前、こういうの好きだろ」
帰って来るなり雅に渡したのは、ロイヤルミルクティと、タピオカミルクティの山。
そしてチョコレートの箱。
「わ…どうしたんですか、これ?」
嬉しそうな目をキラキラさせた雅は、重そうなそれを受け取った。
「こっちはコンビニで、あるだけ買ってきた。チョコレートは実家から貰って来た」
箱は大きくはないけれど、雅にも解るほどの、有名高級チョコレートブランドのロゴが入っている。
「………8000円…」
「そんなにすんのか、それ」
「……12000円かも」
恐る恐る箱を引っくり返すも値段はなかったのか、雅はどうしよう、とばかりに凱司を見上げた。
「貰いもんなんだし、んな情けねぇ顔すんな」
鷹野はどうだ? と話を変えた凱司は。
やっぱりコンビニスイーツがちょうど良かったか、と雅の頭に手を置いた。

