早朝、凱司に届いた宇田川からのメールには、息吹は我が家に連れ帰りました、と一言記されていた。
なんで自宅に連れ帰ったんだか…妻子がいるのに、と凱司は眉をひそめる。
あまり会うことのない、宇田川の家族。
息子は、高校生。
去年あたりだったか、凱司のしていたリングをあまりに見つめる息子に、そのままやった覚えがあった。
通勤の渋滞は、だいぶ解消されてきた。
徐々に運搬トラックの増えてきた大通りを、特に慌てるでもなく進む凱司は、煙草をくわえ、火をつけた。
手土産のひとつも、たまには持って行ってやりたい所だけれども、生憎の早朝。
コンビニスイーツを喜ぶとは思えねぇしな、と。
ふと、そのコンビニスイーツで充分喜ぶ雅の唇を思い出して。
頭を振った。

