たぶん恋、きっと愛



鷹野の薬は俺が帰りに取ってくるから、と言い残して凱司が出ていった後は、静かだった。



「そろそろ起こしに行く時間じゃねーの?」

相変わらず目の合わない雅に、佑二は苛立ちを感じた。


「…うん、…鷹野さんのとこ、もう行ってもいいですか?」


先ほどからそわそわと落ち着きのない雅は、起こす時間までは立ち入り禁止である、と凱司にも佑二にも、きつく言われていた。


「…じゃあ俺が起こしてくる」

「あっ、待って!あたしも行きます!」


立ち上がった佑二を慌てて追い、雅はそのシャツの袖に触れ、掴む事なく、手を引いた。


佑二は思う。
このちょっとした距離感が、凱司や鷹野とは違う。

もう少しなついてくれても良いだろうに、と佑二は苛立たし気に舌打ちした。