たぶん恋、きっと愛



「俺、ちっと宇田川んとこ行ってくるから、佑二は…学校あんだろ? 間に合うようにゆっくりしてけ」


並べられたサンドイッチを一通り食べ終えた頃、凱司は立ち上がり、雅の頭に手を置いた。


「お前は新聞。終わったら少し寝ろ。……自分の部屋で」

目ぇ腫れてんぞ、と、にやりと笑い、ふと、佑二を見やった。


「……悪かったな、また連絡する。来月中頃には鷹野も良くなるだろうから、ライブ、予定しとけ。それから………」


金髪をかきあげて、凱司は言い淀む。

雅は頭に手を乗せられたままな事は気にならないのか、自分の皿に残った小海老をフォークで掬った。



「…コレの……はしたない姿は……忘れろ」


ぽろっ、と海老を落とした雅が硬直する中、佑二はあからさまにそっぽをむいた。



「無理」

「忘れろ」

「絶対無理。無防備にも程がある」



「……雅、スカート履くな」

「えっ」


ぺんっ、と雅の頭を叩いた凱司も、そっぽをむいたままの佑二も。


雅が悪い、とばかりに、ため息をついた。