「…ああ、そうだな。連れてくる。食事は?」
「一樹さんが一口食べただけです」
すっかりふて腐れた様子の佑二を見て、雅に関わると誰でもこう、世話焼きになるんだろうか、と凱司は可笑しそうに首を傾けた。
鷹野の部屋は、凱司の部屋の斜め正面。
玄関から真っ直ぐ突き当たりがリビング。
リビングに行く途中までに、右側に3つ、ドアがある。
1つは楽器やら服やら、普段使わないようなものやらが収まっている。
1つは空き部屋。エアコンが付いていないために、夏と冬は誰も泊められない。
真ん中が、鷹野の部屋だ。
左側には、2つのドア。
1つは凱司の部屋。
1つはバスルームとキッチンへ続く通路が開く。
雅の部屋は、リビング手前を右に折れた、突き当たり。
ちょっとした隠し部屋のような、小さな、部屋。

