時刻は、午前2時半になろうとしていた。
照明を煌々と付けたまま眠る雅と、雅を抱えるように、やっぱり眠っている佑二とに、凱司は思わず笑みをこぼした。
「鷹野、お前のせいで妙な事になってるぞ」
「…ほんとだ」
「宿題も終わってねぇし」
テーブルに散乱したままの新聞に、凱司は、おおよその流れを把握した。
自分が出ていった後、泣くに泣けない雅が、茫然自失の体で佑二を困らせたのだろう。
「お前がさっさと連絡寄越さねぇから」
「だって携帯割れてたもん。使えなくなったと思ったし」
もん、じゃねぇだろ、どんだけ心配させたと思ってんだ、と鷹野の頭をひっぱたき、凱司は部屋の照明レベルを下げた。
ぐっと薄暗くなったリビングで、佑二の胸に頭を乗せたままの雅を見下ろして。
鷹野は、ゆっくりその傍に膝をついた。

