どのくらいそうしていたか。
す、と胸に乗せた頭が重くなった。
動かさないようにポケットから携帯を出した佑二は、時間を確認した、
すでに、2時近い。
俺、このまましてたらマズくねぇ?と、ひとりごちる。
雅が相当、大事にされているのは、わかった。
昌也に…兄貴に、話を聞いた時には、いまいち腑に落ちなかった部分が、なんとなく解った気がする。
あまりにあどけなく無防備で。
こうなるのを見越して、佑二は呼ばれたのだろう。
不安な時を、ひとりで居なくて済むように。
心臓の音は、どんな場合でも眠りを誘う。
雅は、特に抵抗もなく身を委ねたけれど、決して自分から抱きついて来るような事はなかった。
あの子は、二人だけにしか心を開いていないように見えた、と昌也が言っていたのが、よく理解できる。
こんなに無防備に泣いて、こんなに無防備に眠るのに、佑二の事はまるで見ていない。
ひたすらに、気にかけるのは、
鷹野の事。
凱司の事。

