「大丈夫だ、って凱司さんが言うんだから、大丈夫だと思うよ?」
「…うん」
手を繋いだままリビングのソファーに座り直し、ちらりと雅を見れば。
相変わらず泣き出しそうな目が、佑二を見上げた。
「大丈夫、よね? 鷹野さん、生きてるよね?」
その切羽詰まった目に、佑二は眉をひそめた。
大丈夫だと、凱司が言ったのだ。
信じるしかないだろうに。
「死んじゃったら、どうしよう」
ぎゅ、と佑二の手を握る力が強くなる。
「どこに迎えに行ったの? なんで連絡ないの? あたしは…あたしはどうして待つだけ?」
ぽろぽろと涙をこぼしはじめた雅の、必死の叫び。
佑二を見つめて、訴えかける。
「……だーいじょうぶだって。少し落ち着きなよ」
空いている方の手で、思わず雅の頭を掻き抱いた。
「すぐ帰ってくるから。それまで心臓の音聴いてていいよ?」
ソファーに背を預け、雅の頭を胸に押し当てたまま、佑二は深く息をついた。
可愛いんだけどねぇ…、と思う。
こんなんじゃ、あの二人とは暮らして行けないだろうに、と。
佑二は繋いだ手を離して、そのまま肩を抱き寄せた。

