運転中、ずいぶんと長い時間じっと見られているのを感じていた。
「……ぅん、好きは、好き」
突如呟いた雅が、すっきりしたようにため息をついた。
「なに、ずっと考えてたの?」
「うん。だって、恋じゃないのかも、って思ったら…ちょっと安心した…から」
はにかむような、困ったような、独特の途切れがちなしゃべり方をする雅は、それに柔らかい笑みを加えて、鷹野から視線を外した。
「あたし、迷惑かけないように……するから…頑張るから…」
だから、あんまり気を使わないでくださいね、と。
晴れやかに言う雅の声は、鷹野の頭を悩ませた。
「…奴隷体質?」
「え?」
「ああ! いや、何でもない。長い付き合いになるんだし? 気楽に素直に暮らすのが一番だと思うよ?」

