凱司の実家では、毎年、盂蘭盆の法要が行われる。

血縁の一族は勿論、いわゆる舎弟とも取れる“一族”も集まる、非常に面倒な……もとい、大事な集まりだ。


凱司は妾腹ではあるものの、長男で。

毎年、顔を出さないわけには行かない。



―――俺は継がねぇよ。弟が継げば問題は起きないだろ―――


そう言って笑っていた凱司は。

その弟が成人するまでは、と。5年前まで実家で、跡取り代行として役をこなし、暮らしていた。



―――正妻の長男が継がなきゃモメるからな―――


弟が18になるやいなや、そう、あっさりと実家から出てきた凱司は。

時代劇みたいだろ? と。


やっぱり、笑っていた。