カシカシと。


諦めたようにため息を吐いて、素直に髪を拭き出した少女の目は、ガイの金髪の、その耳の上を凝視している。


「…………地毛?」

「あぁ!?」


ジロリ、と向き直ったガイに、びくりと身をすくませ、視線を逸らした。


「…髪、が…綺麗で…地毛なのかどうか気に……なって、た」


頭は、妙に冴えていた。

今までスクリーンの中だと感じていたガイが突然。

目の前に現れ、自分を認識して喋っている。


どうしよう、と。
決して、嬉しくはなかった。

怖さと、喪失感。


小さな声で素直に答えれば。
ガイは、ため息をひとつ。
ついた。