「……今さらどうしたの、って思ったのは…俺だけかなあ」
「いっ…今さら!?」
「いや…、俺はそんなとこだろうと思ってたけどな」
妙に落ち着いている鷹野と凱司に。
雅は気が遠くなるような居たたまれなさに、襲われた。
「あたし…あたし…ちょっと、やだ……恋とか、そんなつもりじゃ…」
声を震えさせるほどに緊張しているのか、雅は立ち尽くしたまま、怯えた目を泳がせた。
「だから、そんな大層な事じゃねぇっての。心配すんな。どうこうしたりしねぇから」
多分な、と小声で付け足した凱司の足を、テーブルの下で蹴り飛ばし、鷹野は。
さすがに15歳はルール違反だしねぇ、きっと、と。
のんびりと華やかに、笑った。