たぶん恋、きっと愛





「ちょ……っ…雅ちゃん真っ青じゃないか!」


思わず大きな声をあげた昌也に、凱司も振り返り、黙って眉をひそめた。

びく、と動きを止めた雅の後ろに付いている鷹野も、苦々しい表情で視線を落としている。



「………赤…」

小さく呟いた雅の声は、鷹野にだけ聞こえた。


「どうした!? そんなに雷キライなの!?」




どうしたの。
こんな雷雨の中で。





「それとも一樹に何かされたのか!?」





それとも。
何かされたいのか。





「……ゃ…!」


立ち上がって近寄ってくる昌也を凝視したまま。

雅はその場に崩れ落ちた。



鷹野が、反射的に後ろから支えたのと。
凱司が昌也の体を押し止めたのとは、ほぼ同時だった。