たぶん恋、きっと愛



あぁ、昌也は今夜ここな。

そう呟いて、ソファーを差した凱司に、雅は申し訳なさそうに眉を下げた。


「…あ、あたしこっちでいいですし、昌也さんベッド使ってくださ……って訳にはいきません……ね……」


凱司に睨まれ、語尾を小さくした雅のセリフを無視して、鷹野は立ち上がった。


「雅ちゃん部屋のクローゼットにあったなあ。なんての?夏掛け?タオルケット?」



雅を住まわせる、と決めた翌々日に届いたベッドは。

雅の唯一の希望で、小さなシングル。


他にも空き部屋はあったけれど、エアコンが設置されているのは、そこしか無くて。



「あ、いや俺帰るよ。明日、税務署行かなきゃなんねーし」


作ったばかりの決算書が入ったファイルを、指で叩きながら言う昌也の目は、明らかに酔っている。



「…お前車だろ?酒気帯びなんかで捕まったら面倒だぞ」


「あたし毛布持ってきますね。鷹野さんは座ってて下さい」

重くないですから。



そう?届くかなぁ、と微笑んだ鷹野に、大丈夫です、と。

雅がドアを出ていけば。




場は一気に、温度を下げた。