夜空にランプ

「何でしょうかっ」


突然の事で声がうわずった。

華奢な体型は頼りなく思えるものの、力の強さはやはり男の人だと認識させられる。



眠そうな顔の印象が強いだけに、見慣れない真剣な顔つきでしかも澄んだ瞳で見られ、寒さも忘れるくらい途端に顔が火照ってきた。

視線を逸らそうにも、その目から離れられない。




強い風がぶわっと吹きつけた後、静けさが舞い戻り、始まりかけた夜の空気に耳障りのよい、深みがかった低い声が響いた。




「この事は、誰にも言わないでくれないか。頼む！」