「は?なんで?いやいやちょちょちょちょっと待ってって」 長身の有紗には抵抗も虚しく、あれよあれよという間に腕を引っ張られ、有紗の席へと連れてかれてしまった。 その際にこちらの声に気づいたのか、散々机とにらめっこし続けていた塚田航基がついに顔を上げた。 おまけに目まで合ってしまった。 (やっぱりどこか眠そうな顔。でも何か中性的で見てて飽きないような…) などと思い、少しばかりぽーっと頬が熱くなり始めたのもつかの間。