(はぁ~あ…) 深く長いため息を吐く。 痛めた膝をかばいながら小走りで学校に向かい、多少制服も雨に濡れつつ、朝のホームルームにはギリギリ間に合った。 「あれ?ちーちゃん膝どうしたの?すごい赤くない?」 「それがさぁ、駅でちょっと転んでね」 「そうなの?あ、それで今日遅かったんだ」 「まー、そうなんだよ。本当最悪!」 「どーんまい」 ホームルーム後の休み時間、この高校に入学して初めてできた友達である、有紗(ありさ)が声をかけてきた。