夜空にランプ




有紗と芽衣子と仲良くなりたての頃で、部活が丁度休みだった有紗が、写真部に遊びに来ていた日のことだった……。



学校というテーマで、放課後の校内を自由に撮影して回っていた。


そのとき、一緒に回っていた有紗が、ふいに廊下で足を止め、『見て見て!すごい綺麗だよ』と、そう教えてくれた夕焼け空。




赤だけではない、きめ細かな夕陽色のグラデーションに染められていく、いくつもの雲の群れ。


まるでそこだけ目の前で水彩画が描かれていくように。


ベタな青春シーンだな、なんて思ったりもしたけど、それが本当なら、今この瞬間はもう二度とやって来ない。


ベタなことをこんなにも切なく思うなんて初めてだった。




正直その日は遊びながら回っていて、まともに写真を撮っていなかったけど、この時ばかりは、目の前の空を残しておきたい気持ちが大きく、逃さないように真剣に私もシャッターを切っていた。


その写真は今も大切にアルバムにしまってある。




芽衣子があの時の夕焼け空の写真を選んでいたことを、この時知った。




今見返す写真は、三人で見たあの時以上に、儚く綺麗に蘇ってくる。