山ほど沢山あったピースも、今は数えるほどになり、より正確に丁寧にはめていく。





「肌寒くなってきたな。…ちょっと待ってて」



そう言って塚田君は部屋から出て行く。


昼は春の陽気でとても過ごしやすいけれど、確かに夜になると、ぐんと下がってしまうのだ。


「はい」


戻ってきてふわっと肩にかけられたのは、ノルディック柄のブランケットだった。


「ありがとう。暖かくて柔らかい…。これいいね。肌当たりもいいし」


「これ、寒いときのうちの定番なんだ。父さんと母さんがさ、世界旅行してたときに見つけたスウェーデン伝統のブランケットなんだって。羊の皮を害虫から守る殺虫剤を使わない、人体にも危険な有害物質を含まない、動物にも人にも優しい伝統あるウールらしい」


「だからなんだー!すごい。初めて知った」



その過程を知ると、ますます暖かみが増すようで、すっぽりブランケットに体を包むと、ブランケットに顔をすりすりした。


まったくチクチクしない滑らかなウールは、心地よくつい眠気まで誘う。