私はきょとんとして、彼の顔を覗きこむ。
「…今日、もう少しいてくんねー?」
「………うん。わかった」
店員でも作家でもない、ごく普通の、一人の高校生の男の子である彼の零した本音だった。
私にできること…。
傍にいることは容易いことだけど、本当に彼やリンコさん、お店のためにできることを考えるならば、もっと違う何かがあるのではないかと思った。
でも、実際には思いつかない。
その歯痒さに苦しくなった。
星が目立つようになるまで、ずっと彼の隣で、互いの手を重ね合っていた。
いつも触れてくる彼の手には程よい温もりがあった。
でも今日触れる手は、とてもとても冷たかった。



