誰も帰ろうとしない空気がずっとずっと流れていた。
その理由さえも、頭の隅においやっていた。
理由を考える時間さえも惜しかったのかもしれない。
輪郭だけの真っ白な絵に、色をつけなければそれは感情さえも見えなくなるのと同じで、そのままにしておくのはきっと虚しい。
真っ先に色をつけることを決めたのは、ここにいる誰より、隠すことなく心に窓を開けるように解放した芽衣子だった。
「二年になっても、またみんなで来ようね」
トイカメラでも写せない、柔くて鮮やかで、懐かしくはない、いつだって新鮮な気持ちになる、そんな色が景色に染まっていく笑顔で言う。
遠慮がちに控えめに笑っていた芽衣子ではもうなかった。
芽衣子が吐露したことで、一枚の写真を残すように、四人の時間がより一層濃く刻まれていくのを感じた。



