とんでもない傷を心に負ってしまった私達だったけど、いつまでも痛みに縛られてはいない。
自然にまかせていた傷跡が少し癒えたような、そんな気がしたから。
自宅付近よりもう少し離れた場所にある、昭和初期の風情が残る下町界隈。
四人で雑貨屋やパン屋、ミニシアターや小さな博物館など、個性豊かな店舗が軒を連ねる商店街を寄り道した。
時折写真を撮りながら。
古民家を改築した店舗は、その時代に生きていたわけではないのに、なんだか懐かしい気分になる。
みんなで寄ったのはこの日が初めてだった。
揚げたてのせんべいを豪快に食べてみたり、散歩している犬に妙に懐かれてしまった塚田君に笑ったり、近くの公園で鬼ごっこを本気でやってみたり、日が暮れるまで遊ぶ私達は、もうすっかり子供時代に返ってしまったようだった。



