夜空にランプ



向こうは気づいていない。

少し距離がある。

声をかけようか…。



心の中で葛藤しているうちに、下駄箱に着いたみんなは、さっさと靴を履き替え始める。


「こぐま?どうかした?」



立ったままでいる私に気づいた塚田君。



反動で顔を上げるも、何て言い返したらいいかわからず、再び視線を逸らす。



すると、


視界の端で、手を振る人がいた。


(もしかしてっ)


ほんの少しの期待でそっちの方を振り向く。



「……、有紗」



期待は裏切らなかった。