彼は漫画に見入っている。もう今しかない。
「はは、これ懐かしいなー。って、どうかしたか?」
(げっ!)
「ん?塚田君飲み物何がいいかなって。コーヒー?紅茶?、牛乳もあるし炭酸もあるし麦茶もあるよ」
「あー…、じゃ麦茶もらってもいい?」
「おっけーい」
(ああ~、もういいとこだったのに!)
バクバク鳴る心臓が、緊迫した状況を物語る。
こんなことで神経を使うなんて馬鹿げてるかもしれない。
でも自分にとっては、過酷な試練に絶対に立ち向かわなければならない、ゲームの中の勇者のような気分だった。
(お願い、こっち向かないでー!)
「ふへっくしゅんっ!」
「え?あ、きゃあー!!」
「ちょっ、こぐま?うわー」



