いつの間にか彼の背に手を回していたことに気づき、我ながら大胆なことをしてしまったと、冷静になりさっと手を離した。
「大丈夫?」
首を傾げ、顔を覗き込もうとする。
「…う、うん」
「なぁ、好きって、言ってみ?」
「は?なんでよ!もういいじゃん」
「よくねーよ。俺は言ったし、もっとちゃんと、聞きたい」
拗ねた子供みたいに口を尖らせ、そっぽを向く。
そんな甘える姿に胸が鳴る。
これが母性本能というものか。
(ほんっとに、いつもいつもずるい…。でも、今日がスペシャルナイトで本当によかった)
「…………好き」
(月明かりが味方をしてくれるから)
彼は何も言わずただ優しく微笑むと、もう一度私を抱きしめた。
特別な夜は、私達の心を近づけてくれた、もう一つの特別な夜になった。



