「それに、どんなに便利になったとしても、キャンドルが非常手段になってくれることは確かよ。一番忘れてほしくないのは、空にはいつも明かりがあるってことね。新月の日は、月がない分とても暗いけど、その分キャンドルの明るさを感じられるし、星がいつもより見えやすくなってるのよ。満月の日はね、月明かりをもっと感じてほしくて。普段忘れがちな明るさに目を向けて欲しいのよ。キャンドルや月、自然が作り出す明かりにね」
幻想的な世界を作り出す特別な夜は、リンコさんの切なるメッセージが込められていた。
私達の目の前の窓から注ぐ明かりは、格子窓の影を斜めに作っていた。
それは今夜の主役が照らす明かりの仕業だった。
ほどなくして、芽衣子と大場君は帰っていった。
「がんばってよ!チャンスだよ」
別れ間際にそう耳打ちして。
はっとした。
彼女達の計画はきっとこのことだったのだ。



