「どうしたの、あなた達?なんだかやけに楽しそうね」


「いいえー。さ、さよならー」


ここの図書室を管理している司書が来て、せっかくの盛り上がりだったけど、この場は一旦退散。





帰り道では、二人ぎこちなく並んで歩く姿を、これまた私と塚田君はちょっと離れた後ろから見守った。



微妙な距離感のういういしい光景に、微笑ましさとあと、照れくさい感じが伝染する。

隣にいる塚田君も心なしか口数が少ない。



(…好きな人って)


この間のことが余計に気になってくる。


(塚田君て、どんな人が好きなんだろうか…)


気にしないようにすればするほど、頭から離れなかった。




私はこっそり、芽衣子と大場君が並ぶ姿を写真に収めた。後で渡すつもりだ。

その隣で塚田君はくすくす笑った。