「あ!そうそう、これ…」
塚田君の手の中に、いつか見た三日月があった。
月の静かで優雅なたおやかさを感じさせながらも、どこか孤独で繊細で…。
また心奥深くが震える感覚が蘇る。
「そんなに気に入ってたのか?」
「うん…。なんか、ほっとけないっていうか、どうしてるかなって、思ってて。でも私なんかが持ち主じゃ不釣合いかなとか…。だってすごい存在感あるし」
「はっはっ、そんなこと考えてたのかよ。これさ、俺が初めてレジンで作った作品なんだよ。誰も目に止まってくれねーから、戻したんだ」
「そうだったんだ…。なんか、ほっとしたぁ」
レジンというのも初めて耳にしたが、大まかに言うと、樹脂の液を金属フレームなどに流し込み、そこにチャームやイラストや写真を置き、そしてその上からさらに樹脂液を流しこんで硬化させるという作法らしい。
何度も硬化を繰り返すことで、層ができ、奥行きがでるとか。
レジンは童話モチーフや花や鳥、それぞれの閉じ込められた魔法を、まるで覗いているような、そんな特別な気持ちにさせる力がある気がする。



