あと一つわかったことは、玉城先輩のドキドキはすぐ消えてしまい、心地のよい残響が響いてこないこと。
そうと気づけばまたそわそわする感覚が迫る。
(おかしいな…。今すぐにでもあの残響が聞きたくなるなんて…)
カシャッカシャッ
異国の情緒漂うメロディーが流れる店内で、シャッター音が時折混じる。
今日はお店はお休みだけど、ただ遊びに来たわけではない。
いつかこの店を撮りたいと密かに思っていたのだ。
おとぎ話にでてくるような雰囲気を持ち、どこか懐かしくて親しみやすくて、訪れれば誰もが主人公になる。
そんな絵本の中に入り込んで覗いた世界を、写真として残したらまた違って見える気がして。



