先輩は顔をくしゃくしゃにして笑った。
アイドルの素が見えた瞬間。
玉城先輩の口からラブラブなんて言葉が出てくるとは思ってもなく、以前に男っぽい口調を聞いたときよりも、やけに言葉に反応してしまう。
「まあまあ、記念にさ。むちゃぶり、新入部員にも伝授させなよ」
「写真の撮り方よりも?」
「その背景も大事だからな」
「なるほど…とりあえず沢山勧誘しなきゃですね」
「だな、頑張ってこう」
駅前に着くと、ぐいっとカバンを私に渡しながらそう言った。
さっき言ったことが冗談なのかどうかは定かではないが、玉城先輩がいじめの件で変に気を遣うことがなくなったことはわかる。
前よりずっと伸び伸びできている、そんな印象も受ける。



