【くま】とか【くまちゃん】とかそう呼ぶ人達は決まってる。
部活内だったり最近はほとんどないけど、五十嵐さん達だったり、あいつだったり。
この声はなんだかととても久しぶりな気がする。
振り向くと、自転車で颯爽とこちらに走ってくる玉城先輩が見えた。
「めーちゃんはもう先帰っちゃったの?」
「はい。用があるからって」
「そっか、はい、カバン貸して」
「え、いや、その、大丈夫です」
「遠慮しなくていいよ。何も気にしなくていいから。駅まで送る」
そう言うと、玉城先輩は私のカバンを前カゴに入れた。
「ありがとうございます…」
確かに先輩の追っかけがまだ影を潜めていることもあり、少し不安ではある。
でも誠意を持ってその人達に対応したせいか、本当に嵐が過ぎさったように平穏な日々を送れていることも事実だ。



