何か視線を感じ、そっちに目を移すとにやにやした顔の芽衣子と大場君がいた。
「何?」
二人は私と塚田君をそれぞれ指で差し、手でハートを作ってからにっこり微笑んだ。
まるでダンスの振り付けかのように見事に揃えて。
口では言わないけど言いたいことは伝わる。
私は必死で手をブンブン振って、違うことを猛アピール。
その一方で塚田君は再び机の上でだらんと伸び、全く気づいていなかった。
二人に茶化され誤魔化しながらも、『好き』という言葉を彼に思わず使ってしまったことを思い出し、じわじわと恥ずかしさが募っていったのだった。



