夜空にランプ



何か視線を感じ、そっちに目を移すとにやにやした顔の芽衣子と大場君がいた。


「何?」


二人は私と塚田君をそれぞれ指で差し、手でハートを作ってからにっこり微笑んだ。

まるでダンスの振り付けかのように見事に揃えて。



口では言わないけど言いたいことは伝わる。



私は必死で手をブンブン振って、違うことを猛アピール。


その一方で塚田君は再び机の上でだらんと伸び、全く気づいていなかった。






二人に茶化され誤魔化しながらも、『好き』という言葉を彼に思わず使ってしまったことを思い出し、じわじわと恥ずかしさが募っていったのだった。